税理士が教える相続税の基礎知識:遺産分割方法

人が亡くなった時に残された財産(遺産)がある場合、法定相続人間でそれを分割する手続きをとることになります。もし遺言状が残されていれば、原則的にはそれに従った遺産分割方法となります。遺言状がない場合には相続人同士の話し合いとなりますが、うまくまとまらない場合には民法で決められた割合に従った遺産分割方法となります。相続手続きをする際には必ず相続税が関与してきます。相続税はその他の税金と取り扱いが違っているため、なるべく損をしないような適切な方法をとるためには税理士に相談するのも有益な一つの手段です。
遺言書がある場合でも相続人全員の合意が得られれば、相続人間での話し合いで遺産の分割方法の変更も可能です。また、遺言書が無く、話し合いが難航した場合には、家庭裁判所に遺産分割手続きを申し立てることになります。遺産分割協議ではまず、相続人は誰なのかということ、財産の内容・評価額の把握等の確認をします。この遺産分割協議では、相続人全員が参加することが必須となります。相続財産の把握では、具体的には現金・貯金の他に、持ち家、車、宝石、絵画等の物的財産、不動産、有価証券などのプラスな遺産のみならず、借金といった負の財産も含めて確認します。相続税の計算は、正の遺産-負の財産=正味財産に課税されることとなります。次にそれら財産の評価となりますが、相続開始時の時価が原則とされ進められます。特に時価が不安定な不動産に関しては税理士を通して専門家に依頼することが必要となる場合も多いです。その際も、土地評価では国税庁が毎年更新する路線図(路線価は公示地価のおおよそ8割の価格)、家屋評価では市町村自治体が毎年更新する固定資産税評価額を自分でも知っておくことが大切です。
これらの相続財産把握が完了したのちに、分割内容の合意を相続人全員から得ることになります。その際は、必ずしも全員が一堂に集まる必要はなく、代表者が相続人間を個々に回って承諾を得たり、作成した証書に署名・印をもらうという方法で合意を得ることも出来ます。分割の合意を相続人から得られたら、遺産分割協議書の作成に入ります。遺産分割協議書は、あとで起きる可能性のあるトラブルを避けるため、不動産や銀行口座名義変更に必要、相続税申告書添付として必要、相続人全員の合意を明確にする、といった効果があります。相続税は基礎控除額が比較的大きいですが、相続発生から申告・納税までは10ヵ月間という期限が設けられていますので、もし課税対象があるは短期間で多くの手続きを進める必要があります。